塾生の石田です。
集中講座二日目、インナーマッスルについてお話がでました。(一日目お休みしてすみません)。
低い負荷の動作や姿勢の維持(関節の固定)はインナーマッスルが主力になり、逆に高い負荷の動作はアウターマッスルが優位に働く。
ここでインナーマッスルに関する症例を紹介します。
Tさん50歳代 調理場で大勢の調理人をご指導されている管理職の方で、長年常に床面が濡れている環境下でのゴム長靴を履いて立ち仕事。主訴は「いつも両足のふくらはぎが“だるい”」、「入浴後は比較的ほぐれた感じ」 このことから筋肉の血行不良・酸欠状態であり、また、ゴム長靴を使用されていることから、足関節の動きを抑制していることも考えられる。そこで推測できることは、下腿三頭筋の筋ポンプとしての出番も少なく、ふくらはぎや脚全体がだるく・疲れやすくなっても当然と思い、腓腹筋のコリや硬さ(けっこうプヨプヨ)、そして足関節の可動範囲を確認したが特に問題無く、ひとまず下腿三頭筋をほぐす施術とストレッチを実施してみた。
後日、「だるい」症状に改善がなく、他の部位との関連性も考えられたが、以前に「ふくらはぎがだるく・よくつる」と言われた方のなにげない動作の中で、ソファーに座られた時、両方の足が強い内反であったことを思い出し、縮こまっている筋肉が他にあるはずと考え、ふくらはぎで足を内反させる筋肉を探すと、長趾屈筋と長母趾屈筋があり。逆に長腓骨筋と短腓骨筋は外反機能があり、今回の問題から除外した。
以上のことから、深層の長趾屈筋と長母趾屈筋の二つの筋肉を狙って圧を入れてみた。するとまもなくして「だるさが消えた」と言って頂き、推測通りであったと実感できました。
ここで、なぜ?深層の筋肉にコリが発生したのか?足関節が動きにくいゴム長靴も一要因に考えられますが、ベテランで監督職であるが故に、新人の様に無駄な動きもなく、滑りやすいため足を踏ん張り定位置で他者の調理作業に睨みを利かせていることで、姿勢維持のためのインナーマッスルが等尺性収縮の時間が長く、コリが増したと考えられる。
セルフケアとして、足の関節がもっと自由に動かせる履物に変更と、長趾屈筋と長母趾屈筋は足の内反機能以外に、第2~第5趾の及び母趾の屈曲・足の底屈機能があるので、ストレッチとして足を背屈して足趾の伸展動作(つま先に手を添えて手前に引き寄せる)および、足趾の屈曲・伸展の繰り返し(つま先のグー・パー)をお伝えしました。
コメント
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整体師は一生勉強。
開業してからも患者さんを相手にずっと勉強が続きます。もう石田さんは立派な整体師の仲間入りですね。
アウターとインナーの分類は多くの人が知っていますが、それぞれの特性や性質、役割までを紐付けておくのが整体師の準備。閃きは準備ありきで訪れると思います。