塾生の石田です。
『山登りのための整体』開業を目指しているので、山登りを整体目線で考察して行きたいと思います。

前回、手関節は楕円関節で可動域には条件があると書きましたが、では足関節は?山登りで足関節をピッアップして考えるシーンが何処にあるのか、それは登りよりも危険度が増す下りが多い,なぜなら長年山登り(初級ですが)を楽しんできて、下りは重心移動を誤ると足を踏ん張りきれないで身体バランスの制御が難しく捻挫や転倒、そして雨で足元が滑りやすい時は、しりもちをよく見かけます。

なぜか?平坦な道では重力が鉛直方向ですが、下り道では更に傾斜角度が増すごとに斜面下方向にも重力(運動方向)が加わり、そこで重心移動、すなわち歩行するのですから当然と言えます。

ここで、足首関節の機能をみると、底屈・背屈・外反・内反・外転・内転とこれだけ多くの動きを一つの関節で行うのは困難で、主に二つの関節が複合的に作用していて、それは距腿関節(蝶番関節でラセン状に動く)と距骨関節(顆状関節)で手首関節と同じく条件により可動域が変化します。

底屈では外反・外転、背屈では内反・内転の可動域が制限され、登りは背屈の状態で可動域の比較的大きい内反・内転は制限されるので足が地面に着いた時の安定性がある。

下りでは底屈の状態で内反・内転の可動域が大きくなり、利点として股関節や膝関節の連動も伴って凸凹道の変化に対応した足の着き方がし易く、理由としてつま先が着いた瞬間に踵を着く位置を判断して重心移動することができるが、欠点として可動域が大きくなった分捻挫もし易く転倒する危険性が大きい。

ベテランの登山者を見ていると、下りの足の運びや体の向きの切り替えがスムーズで凄く安定感があります。 以前、義足の方にはにこんなお話を聞いたことがあり「歩いていて一番恐れていることは路面が水などで滑りやすいときで、足底に感覚が無いから!小石を踏んでいてもわからない時がある」をお聞きして、健常者には気が付かないご苦労があることを知りました。

足裏の感覚が予期せぬ道を歩く登山者にとっては如何に大切であるか、重要性を実感し、感覚が優れているのは踵よりもつま先であり、そのつま先で安心して地面に体重を預けられるか判断するために、登りよりも危険な下りで自在に動く足関節があることで危険回避が出来ていると考えられ.利点・欠点はありますが転ばぬ先の杖として、補助としてストックの利用を進めたいと思います。