塾生佐々木寿美です。


先週1週間近く自分の両親と過ごす時間があり、母親に施術をさせてもらいました。

母親は3年ほど前に左の変形性股関節症という診断を受けて手術をしたものの、リハビリの賜物、今は不自由なく動けております。 施術をするにあたり、「どこか辛いところはない?」と聞くものの、仕事を退職した今は痛くて辛いという症状さえもほとんどなく、ちょっとシンドイと感じても自分で軽い運動やストレッチをすれば乗り切れる程度、とのこと。もしかしたら今の私よりも日常よく活動しタフにさえ感じる母なのですが、仕事をしていたころは心身ともにハードで疲れを癒すため時間をみつけてはよく整体などに通っていた人でした。
私が整体を学びたいと思ったのも、自分の身体を改善したいという思いのほか、そのように忙しく身体を酷使した母が整体に通って身体を癒していた姿を子どもながら見ていた影響も少なからずあるのかな、と年齢を重ねた母親の施術をしながら感じたりもしました。


『変形性股関節症』

これらは原因が明らかではないことが多いようですが、構造上の仕組みとしては骨盤の寛骨臼と大腿骨頭の連結部分(股関節)の変形によりなめらかに関節が動かなくなってしまった状態です。 股関節は球関節で通常球状の骨頭が相手の凹部にはまっています。よくあるパターンとしては受け皿である寛骨臼(凹部)が何らかの原因で石灰化(増殖)した結果、大腿骨頭とぶつかり機能障害が生じるというものだと先生に噛み砕いて説明していただきました。

3年前、「そっか、変形しているのか、だから痛むのよね」と、何も身体のことを知らない私は手術というものになんとなく抵抗はありつつも、そういう選択肢しかないのか、とそれ以上の可能性を考える余地がありませんでした。(つまり、無知ってことです。)

しかし、構造上の変形=痛み、ではないと塾で知った今は、もしかしたら手術をする前にできることはあったのではないか、と思います。「機能障害が起こる」ということは股関節周りの動きが制限された状態だと解釈します。ですので、可能性として股関節周りの動きを筋肉の状態からまずは見てあげられることができれば、構造そのものを変えることはできなくても痛みを解消することはできたかもしれません。

幸い今は問題なく動ける母ですが、やはり入手術直後はかなり動きが制限され、痛みもあり、心身共に辛そうにしていたのを思い出します。
手術を否定するつもりもありませんが、選択肢を広げられる正しい知識や考えを持ち合わせておくことが自分や自分の周りの人を守ることにも役立つのだと感じます。


施術は、自覚症状に左右差はないということでしたが手術側の股関節は健常側に比べ全体的に凝っていて、触ると母自身も「あ、なんだか固いね~」と感じていました。ただ、現在痛みはないものの、強く触られるのはちょっと抵抗があるようなことも言っていました。これは私自身の予想ですが、手術したという事実から無意識にかばって動きが制限されているところもあるのでしょうか?会話から相手の心理状態も考慮して施術をしていかなくてはいけないとあらためて感じました。


数日前の先生のブログ、また授業の中でも、情報が自由に手に入る時代、ただ単に「知識を得ること」には大きな価値がなく、「知識を繋げて考え出すこと」に価値がある、ということをおっしゃっていたことが印象に残り深く頷かされます。
しかし、知識もピンキリだとも感じるこの頃、情報を取捨選択できる選眼力を持ち、正しい知識をインプットすることがその前提なのだと自分を振り返り思うのでした。