塾生みしまです。
お年寄りが、歩行や直立状態から座るときに困難、階段が下りずらくなる、年を重ねていくと仕方がない事だと考えておりました。
今回はそのようなお年寄りについて、なぜそうなるのか?を勉強しました。

まず座る動作は、
・股関節がゆっくり屈曲できるように大殿筋

・膝関節屈曲がゆっくり屈曲できるよう大腿四頭筋

の筋が伸張性収縮で耐えながら座ります。

収縮3パターン

収縮には3つのパターンがあります。

・短縮性収縮
筋を短縮させながら力を入れてる状態
階段の上りや自転車を漕ぐときに膝を伸展させる時の大腿四頭筋

・等尺性収縮
筋の長さが一定に保たれたまま力を入れてる状態
腕立て伏せで腕を伸ばして静止してる時の上腕二頭筋

・伸張性収縮
筋を伸張させながら力を入れてる状態
歩行時における軸足が股関節伸展している最中
身体が崩れないよう(屈曲しないよう)に支えてる腸腰筋

筋に負荷が強い順番は
短縮性収縮<等尺性収縮<伸張性収縮の順となります。

ゆっくり座るためには、重力に負けないように伸筋の殿筋、大腿四頭筋が制御しながら、つまり筋にとって一番負荷が強い伸張性収縮しながらでないとゆっくり座れない。

自転車と歩行の違い

歩行困難なお年寄りでも自転車には乗れることが多い。
筋にとって一番負荷が少ない短縮性収縮で自転車を漕いでるからです。

大殿筋が短縮性収縮しながら股関節伸展
大腿四頭筋が短縮性収縮をしながら膝関節伸展

平らな道を歩くとき、階段を下りる時は、股関節が屈曲しないよう制御するために、腸腰筋が伸張性収縮をします。

一番負荷が大きい伸張性収縮に耐えられないお年寄りが多いのです。

屈筋群代表の腸腰筋が伸張性収縮に耐えながら歩幅を保っています。

筋の特性として伸ばさせば伸ばすほどパワフルに使えます。歩幅が狭くなる理由は伸展の可動域が狭くなっていて伸展ができないという事。殿筋が縮こまってることが多いです。しっかりほどいて、ストレッチをかけ元の長さに近づけてあげる。そうすることで力が入りやすくなります。

重力を制す

年を重ねるごとに重力に負け、何もケアをしてこないと屈筋が縮こまってしまう。抗重力筋が等尺性、伸張性収縮をしながら二足歩行を実現しています。階段を上る、自転車をこぐなど、伸筋がする短縮性収縮は年を取ってもできる。なぜなら負荷が一番少なくて済むから。

良い姿勢は疲れますが、若いうちにしっかりと伸筋群のケアをしていけば、年を重ねてもしっかり歩けるようになります。目に見えない重力と闘い、そして味方につけながら考えるようにしていきましょう。

メモ
大殿筋(腸骨~大腿骨)
大腿四頭筋(大腿直筋=腸骨、恥骨~膝蓋骨しつがいこつ)
上腕二頭筋(肩甲骨~橈骨とうこつ)
腸腰筋
大腰筋(T12~L5椎骨から大腿骨小転子)
腸骨筋(腸骨~大腿骨小転子)
授業レポート2017/03/12_1145


よく出来ました