塾生の笹井です。

お客さんで、硬くない人はいないんじゃないかというほど硬い〝胸鎖乳突筋〟。
ここが柔らかくなってくれれば、首も肩も頭も姿勢も、どんなに楽になるだろうと、整体師になって思い続けた筋肉です。
直接押しても変化は出にくい上、すごく痛い。
起始の鎖骨周辺も停止の乳様突起も、今まで押したり動かしたりしていたのですが、鋭い痛みが少し和らぐかな…くらいでした。

そんな胸鎖乳突筋が…
乳様突起のちっちゃな凹みを押すと、びっくりするぐらい緩んでくれました。(ものすごい激痛と共に。痛すぎて耳とれるかと思いました。)

柔らかくなった胸鎖乳突筋を押されていると、先生凄すぎるという気持ちと、今までお客さんに接してきたことを思い出して、ちょっと泣けてきました。
こんな風に身体って反応してくれるものなのかと。

ほぐれない、ほぐせない。
痛みがいつまでたっても変わらない。
アプローチ方法もいつくも考えました。
でもだんだん、ここは少しほぐれてくれたらいいかなと、ここの痛みに時間をかけるより、他の部分に時間をかけた方がいいなと。

そんな風にいつの間にか、出来ないことは出来ないと、諦める癖ができていたように思います。
本当はこの時に、もっとたくさん勉強できる方は、どんどん成長していけるのだと思います。


胸鎖乳突筋を調整してもらった後、身体の力がすーっと抜けて、呼吸がふわっとしやすくなり、でも身体が緩む以上に気持ちが緩んでいくように感じました。


今までの私の施術は頑なで、腕にいっぱい力を入れて、ほぐれろーほぐれろーと必死に押してました。

お客さんの主訴=その場所の硬さをほぐすが、基本でした。辛さを訴えている場所をまずはしっかり触る。

手力を知っている皆さんが見たら、お客さんの身体に負担をかけてしまうと思うようなやり方だと思います。
(伸びきって疲労してるのに、肩や背中をひたすらにほぐす。など…)
それでも、お客さんの身体に変化はありました、すっきりして辛さがとれてくれてもいました。
でも、とりきれない辛さや、繰り返す辛さもたくさんありました。
同じ場所が同じように痛むということを聞くたび、自分は整体師を名乗っていていいのかと思いました。

だから今、身体の構造を一つ一つ考えながら行う施術が楽しい。
身体を触らせてもらうたびに、明らかに変化のある筋肉に驚く。
新しいことを学ぶたびに、今までやってきたことも、全部が無駄だったわけじゃないとわかることが嬉しい。

手力に出会えてよかったと思う日々です。
鈍くなっていた自分の感覚や気持ちが少しづつですが鮮明になってきているように思います。

呼吸しやすくなった身体で、明日仕事に行くのが楽しみです!
お客さんの乳様突起、触ります!


良くできました