塾生の青柳です。
 下記の投稿内容に誤りがありましたため訂正しました。赤筋が赤いのは「血管」が多いからではなく「血」が多いからなのであります。

 本日の講座では、筋肉には種類による分け方があることを学んだ。初めて習ったかのような書き方をしているが、実は筋肉の分け方の話が講座で出てきたのは二度目か三度目である。ようやく整理がついてきたところだが、学習は反復が重要なのでそれでよいのだ(と言い聞かせる)。いくつかある筋肉の分け方のうち、赤筋(遅筋)と白筋(速筋)についてフォーカスしたい。なお、正確には、赤筋と白筋は筋肉そのものではなく筋繊維の分け方である。
 赤筋は、その名のとおり筋肉の色が赤く、インナーマッスル(深層筋)に多く含まれる※1。インナーの筋は骨の近くに位置するため姿勢の維持や固定に機能し、この筋に多く含まれる赤筋は即ち、持久力が強い。白筋は、色が白く、アウターマッスル(浅層筋)に多く含まれる※1。インナーと逆で体の動作に機能するアウターの筋に多く含まれるということは、瞬発力が強い。ところでこの赤とか白の色は何かと言うと、血の色である。赤筋には血管血(ヘモグロビン)が多いため酸素が多い。この酸素を存分に使えるため長い間であっても疲れずに機能できるのである。このように酸素を必要とすることから、赤筋を動かす運動を有酸素運動と言う。反対に、白筋は酸素がなくても即座に動くことができる(無酸素運動)が、すぐに疲れてしまう。どちらが多い方がよいということではなく、ただそれぞれの筋繊維がそういう特徴を持っているということなのだ。

 さて、この赤筋と白筋の割合は生まれながらに決まっている。従って自分に合った運動というのも生まれつき決まっているのである。赤筋が多い人は持久走が得意、白筋が多い人は短距離走が得意。そんな話を聞きながら思い出したのは、読売ジャイアンツの菅野智之投手が、幼いころに祖父の原貢氏※2から「智之は足が遅いからピッチャー向き」と言われ、ピッチャーになったという話だ。これは言い換えれば、菅野投手は白筋より赤筋の方が多いということではないだろうか。菅野投手と言えば、昨年は沢村賞も受賞した日本球界のエースであるが、ここで私が重要だと考えるのは、彼が先発投手であるということだ。私が考えるに、赤筋が多い人がより向いているのは抑えよりも先発のピッチャーなのである。
 下の図をご覧いただきたい。投手の役割別に赤筋と白筋の重要度を示した簡易な図を作成したのであるが、野球ファンの皆様におかれましては、色々言いたくなるところを何卒ぐっと堪えてお付き合い下さい…。先発投手には、少なくとも6イニング以上は投げてもらいたいものである。もちろん、完投できれば素晴らしい。そうなると当然、持久力が必要だ。5回くらいで崩れだすピッチャーは持久力が足りない。筋繊維の観点から言えば赤筋が少ない可能性がある。一方、クローザーはだいたい最終回のみに登板し、速球を得意とする投手も多く、まさに瞬発力勝負である。白筋が多いに違いなく、持久力はないので、訳あって回跨ぎなどさせられた時には見ているこちらもハラハラである。また、赤筋と白筋の割合は生まれながらに決まっているが、人種によってもその差はあり、我々のような農耕民族は赤筋が多く、狩猟民族は白筋が多い。ソフトバンクホークスのデニス・サファテ投手のように、チームの守護神を外国人投手が任されている場合が多いのは、筋肉の違いによるのかもしれない。中継ぎに関しては様々なタイプがあるので一概に言えず、第二の先発的な役割の投手もいればセットアッパーのようにクローザーの前の回のみに登板することが多い投手もいる。また、これまでは1試合における持久力と瞬発力にのみ着目してきたが、年間を通して戦うということに視点を移すと、1試合投げれば中4~6日程度の間隔を空けて登板する先発投手に対して、毎試合出場の可能性がある中継ぎや抑えの投手は、実は先発以上に長期スパンにおける持久力が必要なのかもしれない。それにしても、野球とは様々な筋繊維の持ち主が活躍できる素晴らしいスポーツだ!これを機に、野球観戦を楽しんでみませんか?(話し相手がほしいだけ)

では締めの一句。

得手、不得手、あれど「好き」こそ力なり

※1赤筋、白筋はどちらも含まれるがその割合が多いという意味。
※2既に逝去されているがアマチュア野球指導者の重鎮で、原辰徳の父。


図:投手の役割における赤筋と白筋の重要度


よく出来ました