塾生の青柳です。
「脚を組む癖があってもX脚にならないトホホな理由」というタイトルで下記の投稿をしましたところ、先生から「お腹突出しの姿勢ということは股関節が伸展していますよ」とご指摘をいただきました。なんと重要なことを見落としていたのでしょう!詳しいご説明は、本記事後段に赤字で追記しました。

先月のストレッチの授業の際に、私は極端に開脚が苦手であることが分かりました。床に座った状態で脚を広げる、あれです。股関節外転による、股関節内転の筋肉のストレッチなのですが、私の脚は90度しか開きません。みんなそういうものだろうと思っていたので、他の塾生の方々が軽々と120度は開脚できているのを見て驚きました。胡坐をかくのは少しも苦ではありませんので、膝関節屈曲が同時に生じれば緩む筋、すなわち内転筋群のうち二関節筋である薄筋が縮こまっていることになります。

なぜ私の薄筋はそれほどまでに縮んでいるのでしょうか。思い当たる節は、イスに座る際に脚を組む癖があることです。そこで、よくよく自分の座る動作に注意してみたところ、いつも座った瞬間に脚を組んでいることに気づきました。正確に言えば、座るという行為のなかに脚を組むという動作も組み込まれているようです。あらかじめ片方の尻だけをイスにつけ、反対の浮いた尻側の脚を上げて組む、という、それはそれは自然な流れが出来上がっておりました。そして、時間の経過とともに、上の脚のすねを下の脚のふくらはぎ側に通し、上の脚の足の甲を下の脚に巻き付けてロックする(表現するのが難しい…つまるところ、脚をもう一方の脚にツルのように巻き付けるのです)、というのがどうやらお決まりのポーズのようです。意識して脚を組まないように心掛けても、最初のうちはちゃんと座っているのに、気を抜いた瞬間から、もう脚は組まれています。恐ろしい。。筋肉は大脳の指令によって動いているというけれど、私は「脚を組むな」という指令を出しているつもりなのに。しかし私は、意識して姿勢を正す、というのは意識しているときしか効果がないことを、お腹突出しの立ち姿勢を意識によって正そうとして失敗していることから、既に学んでいるのであります。座り姿勢も然りなんだなぁ。というわけで意識改革による姿勢矯正は早々に諦めました。

では、どうすればよいのか。ストレッチによって縮んだ筋の長さを元に戻す、これが正しい姿勢の直し方でしょう。でもストレッチって結構面倒くさいのヨネ。筋トレならば、筋肉が目に見えて大きくなるのを実感できますが、ストレッチは筋肉が伸びたのかどうかよく分からない。特に、ガチガチに凝り固まった筋肉はなかなか手ごたえを得られません。でも、大股開きする機会なんて日常生活ではそうそうないし、外転できなくても困らないだろうから、まっ、いっか。としばらく放置しておりました。

しかし、内転の筋が凝り固まることによる弊害は、外転しづらいということだけなのでしょうか。薄筋は恥骨から鵞足まで繋がっています。これが縮こまっているということは腿の内側が短くなっているということです。そうすると、引っ張られた膝の内側が曲がり、膝の屈曲、内旋が生じます。同時に股関節の内旋、内転及び足の外反が生じます。その通りの形を実際にやってみると、あら、なんと、X脚。脚を組む癖があるとX脚になるってこういうことか!と納得です。X脚は格好が悪いだけではありません。この姿勢のまま重力で押されれば、膝に負担がかかり傷めてしまいます。私はまだX脚にはなっておりませんので、いまのうちに手を打つ方がよさそうです。

そうだ、ストレッチしなくても拮抗筋を鍛えればワンチャンあるかも!?と思い立ち、股関節外転の筋である中臀筋、大腿筋膜張筋の筋トレをやってみることにしました。サイドプランクという方法なら、余計な反動のない運動ですのでよさそうです。しかし、なんだかモヤモヤするのであります。ちょっと待てよ?私は本当に中臀筋や大腿筋膜張筋を鍛えてもいいのか…?中臀筋と大腿筋膜張筋は、股関節外転の筋であると同時に、股関節内旋の筋でもあります。私の普段の姿勢はお腹突出しの姿勢ですので、腸脛靭帯に寄りかかるために常に大腿筋膜張筋と中臀筋で股関節を内旋してロックしています。つまり、中臀筋と大腿筋膜張筋は既に縮んでいるのです。だから開脚が90度しかできないほど薄筋が縮んでいるのにX脚になっていなかったのか…どこもかしこも縮んでるって、ただの短足かい。あーもうメチャクチャだよ。

で結局、X脚防止のために薄筋のストレッチを、お腹突出し改善のためにハムストのストレッチを、素直にそれぞれ行うことにしました。毎日1分ずつ伸ばしたくらいでは手ごたえのない日々ですが、それでもやらないよりはマシなはず。あと、イスに座ったら脚を組まないように、すぐに胡坐をかくことにしました。家の外ではできないけど、とりあえずの苦肉の策です。

脚伸ばせ 八頭身になれるまで (それは無理)

お腹突出しの姿勢は確かに股関節が内旋しますが、それよりなにより、お腹を突き出しているということは、股関節は伸展しているのです。ということは、股関節屈曲の筋でもある大腿筋膜張筋は股関節伸展の姿勢によって伸びたまま固定されているのであります。X脚になっていなかったのは、単純に「まだ」なっていなかっただけのようです…。大腿筋膜張筋は縮こまっていると思い込んで股関節外転の運動(サイドプランク)を諦めてしまった私ですが、実は、むしろこれはやった方がよいことが分かりました。X脚も防止できるしお腹突出しも改善できる、一石二鳥なのです!もちろん、ストレッチはストレッチで大切です。ちなみに、もし大腿筋膜張筋が縮こまっていたとしても、運動のために筋を使うことはよいことなのです。筋肉を「使う」と一口に言っても使い方には種類があるということについては、よくよく掘り下げたいところですが、これはまた別の機会に。


良くできました