塾生の加藤です。

筋肉には縮まるという機能しかありません。一度縮んだら伸ばしてあげない限りそのまんま。縮んだまま使い続けると凝り固まってしまいます。さらに、筋肉は縮むほど力を発揮できなくなるので、凝り固まった筋肉は、周りの筋肉の力を借りることになります。

重たい荷物を持って歩く自分を想像してみてください。左肘を曲げて(屈曲させて)カバンをかけています。
この時に主に使ってる筋肉(主動筋)は上腕二頭筋です。主動筋は周りの筋肉(協働筋)の助けを借りながら屈曲を維持しますが、毎日の通勤で縮んで凝り固まった上腕二頭筋は力を充分に出せなくなってきたため、協働筋に過度な協力を求めます。この場合の協働筋は上腕筋や腕橈骨筋ですが、通勤は毎日続くので協働筋も凝り固まり、左腕全体がパンパンです。腕だけで支えづらくなると、肩関節を内旋させて広背筋や大円筋、肩甲下筋の出番でしょうか。外旋させて三角筋後部や棘下筋を使っている方も見かけます。
このように、筋肉を縮めるばかりで適切なケアができない日々が続くと、どんどん周りの筋肉を使い始め上腕二頭筋を中心に背中にまで凝りが広がるでしょう。

ここで必要になるのがストレッチです。
前述のとおり、縮めた筋肉は伸ばしてあげる必要があります。ただし、筋肉は伸ばす為にに力を入れることができないので、反対側にある筋肉(拮抗筋)を縮めることで結果的に伸ばすという動きが必要になります。
縮まった上腕二頭筋は反対側にある上腕三頭筋を縮めることでゆるんで伸びる(理想は100〜130%の長さ)ことで再び力強さを取り戻します。
しかし、協働筋の過度な働きの連鎖でコリが広範囲に広がっている場合は、上腕二頭筋だけではなく、手のひらや背部など外堀から徐々に伸ばして本来の動きを取り戻していく必要があります。

拮抗筋を縮めればいい、と分かったところで邪魔になるのが私たちの感覚です。多くの方は、自分が痛い辛いと感じているところをストレッチしたいと思うのではないでしょうか。
でも、辛いと感じるのは本来伸ばしたい縮まって凝り固まっている筋肉ではなく、逆の伸びて張っている筋肉であることがほとんどです。
「腕が疲れたなぁ」と自分で揉んでしまうのは、腕の外側ではありませんか?そして、それが左腕だったら、肩関節を屈曲させ、肘をだらんと背中側に曲げてさらに右手で補助しながら屈曲を強めるのではないでしょうか?この動きは上腕三頭筋を伸ばします。本当に伸ばしたい場所の反対側です。
また、背中にある菱形筋。デスクワークや子育て中の方が辛さを感じやすい肩甲骨と背骨の間にある筋肉です。ここを伸ばしたくて、両手を組んで前に突き出しながら背中をぐーっと丸めてみたことありませんか?
これも、すでに伸びている筋肉をさらに伸ばしているために縮まっている所がさらに短縮してしまいストレッチにはなっていません。

こんな文章を書いている私ですが、10年ぶりにハイヒールを履く必要に迫られており、脹脛がパンパンになっています。足関節底屈の状態が続き脹脛(下腿三頭筋)が縮まるためストレッチしたいと思っているのに、さらに底屈を強めてぎゅーっと縮めてしまいました!
このように、辛く感じている所をもっと縮める行動を起こす事もあるのです。

このように、人はなぜかツラいところをさらに縮めてしまうことがあるようです。
感覚に頼らず、自分の体と日々向き合って、縮まっている筋肉を探して拮抗筋を縮めることでストレッチする、という習慣ができるといいですね。

伸ばす場所が分かってきたところで、次は伸ばし方といきたいところですが、長文になってしまったのでまた次回とさせて頂きます。

良くできました