塾生の小野寺道枝です。高齢者の運動指導をしています。

膝痛は何故起こるのか?結論から言うとハムストリングが縮み膝が曲がるから…

膝が伸びていれば半月板に大腿骨がはまり膝の内外旋は起きない。つまり「股関節の向き」=「膝・つま先の向き」になる。ところが曲がっていると膝の内外旋が起きるため、膝をまたぐ筋肉のアンバランスが起き、痛みにつながる。つまり「膝痛」は、関節の痛みではなく筋肉の痛みなのだ。

圧倒的に中高年の膝痛に多い姿勢のパターンは、骨盤後傾・猫背・ガニ股(股関節外旋)タイプ。これは股関節が外旋していて、膝が内旋している。この形を作る筋肉がASISから鵞足につく「縫工筋」だ。なので膝が痛い人の施術は、まずハムストリングを徹底的に緩めた上で、この「縫工筋」を緩めることが有効。特に上記のパターンはASISに近い方の凝りを取り、上記のパターンと真逆の股関節内旋、膝外旋の人は鵞足付近の凝りをとる。プラス同じ鵞足につく半腱様筋・半膜様筋・薄筋などで、微調整をしていく。

更に、階段の上りで膝が痛む人と、下りで膝が痛む人の施術は、どちらで痛むかによって以下のような調整が必要となる。下りで痛むのは階段を降りる時に軸になる足の背屈の可動域が狭く足首をうまく使えないことで膝に負担をかけていると考えられるので、背屈を促すために下腿三頭筋を緩める。上りで痛むのは、股関節伸展の筋肉が凝っているため股関節が屈曲できず重心移動がうまくいかないことで膝に負担をかけているので、股関節伸筋群(殿筋群)を緩める。


高齢者に関わる仕事をしているが、二人に一人は膝痛があるといってよいくらい膝の痛みを抱える人は多い。そしてみな「年だから仕方ない」といい、整形外科へ痛み止めの注射を打ちに行くのだが、今日教わったことを運動指導に応用することで、その「痛み止め依存」に歯止めがかけられるかもしれないと、プログラムを考えてみた。

<膝痛予防運動プログラム>

①膝がしっかり伸ばせるようにする
 ・大腿四頭筋を収縮させる(レッグエクステンション・クワドセッティングなど)
 ・ハムストリングのストレッチ(SLR・前屈など)
 ・腓腹筋のストレッチ
 ・ハムストリング・腓腹筋はストレッチする前にポンピングを促すため軽く収縮させる
  (レッグカール・カーフレイズなど)

②骨盤後傾・股関節外旋・円背の改善
 ・腸腰筋を収縮させる(座位でのニーアップなど)
 ・縫工筋のストレッチ
 ・肩甲骨内転・下制の運動(ローイングなど)
 ・胸のストレッチ

③階段の下りで膝が痛む人の改善
 ・下腿三頭筋のストレッチ
 ・前脛骨筋を収縮させる(トウレイズ)

④階段の上りで膝が痛む人の改善
 ・殿筋群のストレッチ
 ・股関節を使って重心を前に出す(スクワット・ランジ)
  
あれ?意外と普段から指導に取り入れている運動ばかりだ…でも、いつもの運動も目的が明確になったことで伝え方が変わり、より一人ひとりに合わせたアドバイスなどもできそうだ。


よく出来ました