塾生の小野寺道枝です。

いいスクワットと悪いスクワットって?
「スクワットをするときに膝をつま先より前に出してはいけない」という話を聞いたことはないだろうか?運動指導者の間では当たり前のように言われ続けていることだが「なんで?」と聞かれ恥ずかしながら言葉につまってしまった…

ということで、高齢者の運動指導を始めて10年弱、毎回教室で行っているスクワットを今更ながら考察してみることにした。

悪いスクワットはなぜ「悪い」?
膝がつま先より前に出る「悪い」といわれるスクワットと正しいスクワットそれぞれの動きを関節の動作名でいうと、股関節屈曲、膝関節屈曲、足関節背屈とどちらも同じ。けれどそれぞれの関節の屈曲の角度が違う。特に股関節に関しては、正しいスクワットの屈曲は深く、身体を上下する動作は股関節が大きく動くのに対し、悪いスクワットの屈曲は浅く、身体を上下してもほとんど股関節は動かない。つまり悪いスクワットは股関節が使えていないのだ。スクワットは股関節と膝関節が屈曲伸展することで身体を上下させる動作であるが、股関節が使えていなければ膝関節のみで動作を行うことになるので、当然膝関節の負担は大きくなる。よって膝を前に出すスクワットは「膝を痛める」からよくないとされているのだろう。


スクリーンショット (12)


もしかして膝が痛い人って…
さて、膝が出るスクワットが膝を痛めるということはわかった。そのことから推測できることがある。膝が痛い人って日常生活の中でこの悪いスクワットの姿勢をとっているのではないか?例えばものを拾うときなど、膝から崩れ落ちるようにしゃがんでいるのではないだろうか?この推測が正しいのであれば、膝痛の解決策の1つは、しゃがむ動作時は股関節を使い膝の負担を軽くする…つまり正しいスクワットの姿勢をとることだ。

しかしこの悪いスクワットの姿勢にならざるを得ない状況に覚えはないだろうか?

そう、階段の下りや坂道や山を下るとき…確かに山登りの下りで膝が痛くなるという話はよく耳にするし、私も経験がある。これも股関節で対処したいところだが、この場合股関節を深く屈曲する体勢をとるのは難しいので、下肢にあるもう一つの関節、足関節をしっかり背屈することで膝関節の負担を減らすというのはどうだろう。

まとめ
スクワットの考察をするつもりだったが、話を進めるうち「膝痛対策」という思わぬ副産物を得た。
まとめておくと…
①スクワットで膝を前に出してはいけないのは膝を痛めるから
②なぜなら、膝を前に出す姿勢では、股関節が使えず膝だけで動作をすることになり負担がかかるから
③逆に膝痛がある人は、股関節を良く使えるようにすることが膝痛の改善策となる
④また、膝の負担を減らすには足関節の可動域も保つ必要がある
⑤つまり下肢の3つの関節がバランスよく働くことが膝を守ることになる
言い換えれば、下肢の3つの関節の真ん中にある膝は、股関節・足関節の動きが悪くなってしまうと、   たくさん働かなければならなくなるので、日頃から姿勢の悪い癖を改善し、ストレッチや軽い運動で股関節・足関節の可動域を保つよう心掛けることが「膝痛対策」になるということである。




良くできました