塾生の小野寺道枝です。高齢者の運動指導をしています。

前回「そっか!」のブログで改めて「骨で立つ」を軸に身体を整えていくことを決めた私。
早速、生徒さんに自分の身体の中にある「骨」を知ってもらい、できるだけ力を抜いて骨を重ねて立っているイメージができるようにと、骨格模型を持参して新年一発目のお教室へ!

「骨で立つ」を常に意識していると、「今、右に傾いてる」とか「なんか左にねじれてる」など身体の中からのメッセージが受け取れるようになってくる。そうやって自分で修正をかけているうちに、姿勢が改善したりゆがみの進行が止まれば、それはまさに「セルフ整体」。

そんなことも熱く語りつつ、せっかく骨格模型を持参したのだから、それを用いて身体の使い方からくる不具合についての説明をした。

骨格模型を用いて説明したのは生徒さんたちのよく聞くお悩み症状トップ2
◆お悩み症状① ハムストリングの縮みによる骨盤後傾からの腰痛(骨格模型は骨盤が固定されていて後傾できないためイメージできたかは謎(^_^;))
◆お悩み症状② 首での神経圧迫(だと思ってる)による手のしびれ、首・肩・上腕の痛み

この時に、生徒さんから質問を受けた。

前置きが長くなったが、今回はその質問から派生した「肩」について書いてみようと思う。

生徒さんからの質問はこう☝
②の説明で「この子(骨格模型)を見て!手の平は正面を向いているでしょ?皆さん、腕の力を抜いて手をぶらんとしてみて、手の平はどうなります?」「手の甲が前を向きます」「そう腕が内側に巻くから猫背になるんですよ」と、骨格模型の腕を内旋させた時に、生徒さんの1人が「えー私たちの腕、こんな風にバッテンになってるのー⁈」

腕を内旋させると前腕がXに!恥ずかしながら私も生徒さんと同じ感想(^_^;)「ねー…」と力なく同意しその場をしのいだ。

そしてこちらも新年一発目となる手力整体塾の授業で新年一発目の質問。
Q:肩関節が内旋すると前腕はクロスするんですか?  A:答えは「YES」。

ひとまず生徒さんに間違ったことを伝えていなかったことにホッとするww
しかし、前腕回内が肩関節の内旋に影響していることは知っていたが、骨がクロスしていたなんて!

猫背は前腕の回内からスタートする?

前腕は回内してると、橈骨と尺骨がクロスしている。橈骨の「橈」は、訓読みすると「たわ(む)」だそうで、橈骨はやや撓み尺骨に回り込みやすい形になってるそうだ。そして前腕の回内するとそれに引き連れられるように上腕骨も内旋し、肩が前に出た俗に言う「マキガタ」となる。

更に上腕骨が内旋していれば、肩甲骨も外転するので、背中の上部が丸くなる俗に言う「ネコゼ」にもなる。

すなわち、前腕は回内しやすい形であり、日常動作で手を使うときはほとんどの動作が回内であるが故に、年齢を重ねれば誰しも「マキガタ」「ネコゼ」になってくるのは避けらないのではないかと思う。

巻き肩と猫背は違う?

さて、「マキガタ」「ネコゼ」を勝手な解釈で分けたが、正しいのだろうか?上腕が内旋して肩が前に出ていることを「マキガタ」、肩甲骨が外転し背中の上部が丸くなっていることを「ネコゼ」としたが、歳をとって腰のあたりが丸くなるのも「ネコゼ」?

そもそも猫は猫背?猫が丸いのは、肩甲骨が立っているから四つ這いの状態で前から見るとドーム状になっている。そこから察するに(言い出しっぺに聞かないと定かではないが)おそらく肩甲骨外転を猫背としたのでは?…なんて話も授業でしましたが…


猫
 
あっ!怒ると背中全体も丸くなる?…まあそれはまた新情報があれば更新するとしよう(^_^;)

巻き肩・猫背を治すには?

「呼び方」はさておき、巻き肩も猫背も関節の動作でいうと、肩関節の内旋と肩甲骨の外転なので、これを改善するには、その動きに関与する筋肉をほぐし、その逆である肩関節の外旋・肩甲骨の内転ができるようにすることだ。

◆ほぐすべき肩関節内旋の筋・肩甲骨外転の筋◆
広背筋・大胸筋・肩甲下筋(肩甲骨と肋骨の間・肩甲骨の前側・肩関節を内旋したときに同時に肩甲骨を外転させる)・大円筋

他に、肩甲骨を前に引っ張る小胸筋、外に引っ張る前鋸筋を緩めると、肩甲骨を下げ、外転を改善することができるが、どちらも腕についてはいないので肩関節の内旋には関わっていない。肩の内旋をとれば肩甲骨は勝手に戻っていくので、小胸筋や前鋸筋は施術やストレッチで巻き肩・猫背を改善する際に、補助的に緩めるといいだろう。

円背の正体は? 

高齢者の背中の丸みに関してもう一つ、首の付け根のあたりがこんもり盛り上がっている「エンパイ」と言われるタイプがある。

円背はC7で起こっている。頸椎の前後屈は下部頸椎で行っている。デスクワークをしている時は、下部頸椎で頭をささえている。つまり下部頸椎辺りの筋肉である僧帽筋上部あたりが5-6㎏ある頭を負荷として、等尺性収縮の筋トレしている状態であり、あのふくらみは筋トレでパンプアップした筋肉。要は僧帽筋の凝り。猫背もしかり。肩甲骨外転し前に倒れた身体を支えるため起立筋が筋トレしている状態となりもりっとしてくる。故になおさら背中が丸く見える。

要するに、猫背、円背で、背中が丸く見えている原因は同じ(筋トレ)。骨が曲がっているわけではない。筋肉の凝りだからほぐせばある程度は小さくなるが、原因である頭が前に出ていることをまず直さないと繰り返すことになる。

まとめ

一般的に「猫背」と呼ばれている「ネコゼ」「マキガタ」「エンパイ」を改善するには…

①肩関節内旋・肩甲骨外転の筋肉を緩める(ほぐす・ストレッチする)
②補助的に、小胸筋・前鋸筋も緩める
③肩関節外旋・肩甲骨内転の筋肉を使えるようにする
④前腕の回内からスタートするため、手を使っていないときはできるだけ回外にしておく
⑤円背は僧帽筋をほぐす・首の位置を正す(胸鎖乳突筋をほぐす)

以上のような方法で、肩周囲の筋肉のアンバランスを整えることで姿勢が改善され、不良姿勢による痛みも自ずとよくなるだろう。ただ、四十肩・五十肩などと言われる中高年期に発症する肩の痛みと、高年齢の女性に多い手指のしびれに関してはもう少し掘り下げたい。これはまた次回のブログでということにしよう。ポイントはこの内容の授業を受けた際に先生が言った「内旋に限らず肩関節回旋の話が出たら”ローテーターカフ”を思い出すこと!」(次回予告)

そして最後に、私が手力整体塾で肩甲骨周囲が整った体験談

senaka

これは「レストアストレッチ」をする前と後のワタシ。「レストアストレッチ」とは、手力整体塾で教わる丹田のコントロールを目指すストレッチ&スタビライゼーション。もちろん、上記した肩関節内旋・肩甲骨外転の筋や、前腕回内の筋・胸鎖乳突筋のストレッチも含まれているが、圧倒的に股関節周囲のストレッチのボリュームの方が多いにも関わらず、肩・肩甲骨周囲の変化が顕著に出ている。これについて先生と話したところ、理由はこうだった。

「股関節周りを緩め下丹田の位置が整うことで、自然と中丹田・上丹田が揃うから」

ならば、猫背を改善する最後の一手は、股関節を緩め丹田の位置を正して、きちんと上中下を並べること☝…ん⁈最初の「骨で立つ」に話が戻った?ww


よく出来ました