塾生の小野寺道枝です。高齢者の介護予防のための運動指導をしています。

「レッグカール」
「高齢者にはスクワットを!」と言われて久しいが、最近では高齢者にはスクワットよりレッグカールが必要だという指導者もいる。レッグカールは膝を曲げかかとをお尻に寄せてハムストリングを鍛えるトレーニングで、一般的には負荷をかけ筋肉の増量や引き締めを目的に行うトレーニングだが、高齢者のレッグカールは目的が違う。

ハムストリングは膝を屈曲する筋肉で誰もが硬く、それが腰痛や膝痛の原因にもなっている。ジャンプしたり走ったりするときに使う筋肉なので大人になると出番が減ってしまうことや座りすぎ、膝がしっかり伸びなくなっていることがハムストリングを硬くする原因だと思っていたが、それだけではなく他の筋のように層になっていないので少ない筋で頑張っていることも原因の一つだとか…いずれにしても硬くなったハムストリングを使えるようにするために行う高齢者向けのレッグカールは「伸び縮みを促す」目的で軽めに回数多く動かすことである。

レッグカールを行うときの注意点だが、ハムストリングは股関節を伸展させる筋肉でもあるため、股関節を伸展しつつ膝を曲げると縮みすぎてしまうことでつってしまう。また腓腹筋も膝を屈曲させる筋肉で、足首は底屈させる筋肉なので、両方の動作を同時に行うとこちらも縮まりすぎで同じくつってしまう。まとめると、レッグカールは股関節は屈曲し足首は背屈で行うのがよいといえるだろう。

一つ付け加えると、レッグカールでハムストリングの伸び縮みを促した後に、ストレッチを行うとより効果的だということ。この方法は、硬くなりがちなふくらはぎにも応用できそうだ。まずはかかと上げを軽めに行いふくらはぎの伸び縮みを促した後ストレッチをするというやり方だ。


前にも書いたがとにかく高齢者の身体は「鍛える」というより「使える」ようにすることが目的。
特に今回取り上げたハムストリングは手強いので、普段から生活動作にちょこちょこレッグカールを入れてみるなんてどうだろうか?


良くできました