塾生の樽見です。


機能解剖学や実技において視診を行う機会が増えてきました。

巷に溢れる猫背や反り腰のような曖昧な表現ではなく、『◯◯関節の屈曲』のように解剖学的に定義された用語を用いて表現することを練習しています。ゴリゴリの理系脳である私は、例題の写真に写っている情報のみで各関節の動作を判断していましたが、モデルがゆとりがある服を着たり、膝など判断に使用している部位が見えなくなった途端に判断できなくなっていました。

以下の点が重要であることを教わりました。
1.型に当てはめようとしないこと(見た目に惑わされない)
2.ストーリーをつなげること
3.施術を通して、体のことを『教えていただく』という考え方


型に当てはめようとしないこと(見た目に惑わされない)
前述したように、私は例題の写真に写っている情報のみで各関節の動作を判断していました。例えばつま先が正面を向いていれば股関節/膝関節の内外旋は無しと判断していました。しかし実際には、股関節:内旋、膝関節:外旋することでつま先が正面を向く場合があります。このように『つま先(もしくは膝)が内に向くのは股関節の内旋』という覚え方では、正しく関節の動作を把握できないことになるため、正しい施術を行えないことに繋がります。「株とかFXでチャートがこの形になったからといって、常に買い(売り)じゃないよね?」という先生の言葉が心に響きました。

ストーリーをつなげること
ある関節の動作が、その関節に付着する筋肉を介して別の関節動作に作用する場合があります。例えば、股関節を内旋させる筋肉である大腿筋膜張筋(と腸脛靭帯)は股関節の屈曲により起始部が動き、それに伴い停止部が引っ張られ、股関節が内旋します。このように、特定の関節だけ着目していても関節の状態は正確に把握することはできず、時には観察対象を全身に広げていくことも重要になります。それと同時に、「◯◯関節の状態は〇〇。つまり、◯◯筋が短縮している。ということは◯◯動作はやりにくいのではないか」というように、適切な接続詞を使いストーリーをつなげること、そのストーリーの正当性を確認するために動診や施術を行うということが重要になります。

施術を通して、体のことを『教えていただく』という考え方
先生の経験談では、視診を通して描いたストーリーも実際に施術を行うと違っていることがあるそうです。施術を通して体のことを学ぶことが多いそうで、次の施術に活かしているとのこと。


自分でできる視診の練習方法は、街行く人を観察して、真似をしてみることだそうです。諸先輩方の視診スピードと品質にはまだ及びませんが、一日でも早く追いつけるように自主練習を行っていこうかと思います。


よく出来ました