塾生まつせです。久々の投稿です。よろしくお願いします。
~外反母趾遍歴~痛みと不具合を経ての今~
私が外反母趾に気付いたのは高校生の頃ぐらいだったと思う。母も偏平足で妹も同じ。遺伝だと思っており、私らにハイヒール、パンプス、かわいい靴は無縁だった。靴はスニーカー、サンダルなど幅広な形を選ぶようにしていた。しかし看護学生で支給された看護靴(レトロで今は無い)を履かねばならず、この時に張り出した骨が当たり、時に赤く腫れ痛んだ。たくさん歩かねばならない日は途中から母趾の付け根が痛みだした。20代で自分の“外反母趾”を自覚。30代40代と忙しい病院勤務時代は膝を痛めたりしつつも、“外反母趾”の痛みからの歩行困難はなかった。見た目に目立つのでよく指摘されていたけれどひどく痛む事はなかったので、気にしつつも放置していた。しかし「母趾の曲がりの進行」と「そのうち痛みがでる」のでは?とずっと不安はあった。
2020年春、転職し神戸に来て自分の身体に向き合う事ができるようになった。落ち着いた頃、整形外科に“外反母趾”で受診し、仰々しく大層に足の形を取りインソールを作製。「ともかくこの靴を履いて歩く事」を指導された。(今の思うと正しくも当たり前)
2021年2月から山を歩き始め、歩き方・姿勢を考察、試行錯誤しながら、ともかく歩いた。
2022年、3度の骨折(足指・鎖骨・踵)を経験。
2023年から現在、頻度は減ったが歩く事が習慣化。見た目は変わらない“外反母趾”は痛みなく気にならなくなった。今の私は山歩き、10㎞を超えるウォーキングなど歩く事で痛みはでない。“外反母趾”は治ったわけではないが、歩き方、姿勢含めて自分のクセを知り、考えて動くようになったのだと思う。今回、整理して深掘り考察を行った。
なぜ?何をして?どうしてなったか?~外反母趾とは?そもそも何なん?日々の姿勢・動作考察~
「外反母趾と偏平足は因果関係がある」かつての私はそう思っており、自分の“外反母趾”原因は「偏平足で足裏と足指の筋力が弱く、足アーチ構造が崩れている」ことによる遺伝的要因だと思っていた。足アーチ構造には身体のバランスを保持させ、地面からの衝撃を和らげ、足首、膝、股関節、腰への負担を軽くする、といった役割がある。偏平足だとその機能がなく、足首~腰にダイレクトに負担がかかる。さらに足アーチ構造は歩行時、効率よく身体と連動して歩くための推進力、バネの役割がある。その機能を持たない偏平足の人は自身のどこかに負担をかけて進む。歩行時、地面から最後に離れる部分は母趾部分でそこに集中した負担がかかる事が“外反母趾”の原因だろう、と考えていた。事実、母趾で地面を蹴った時、一番痛むのは骨の出た中足趾節関節(MP関節)だったから。ここに負担かけてるから“外反母趾”になるのだと。
ところが!偏平足だからといって“外反母趾”になるわけではない。その事実を妹で知った。同じ遺伝要因のはずの妹は偏平足だが“外反母趾”ではなかった。さらに、職場に足指の動きが実に器用な偏平足の人がいた。衝撃だった。「え?あれ?」何が違うの?
そこで思い出したのは、妹の10代当時の生活。靴下大嫌いな彼女は常に素足で20代後半までスケボーとサーフィンにハマっていた。これが彼女の体幹強化と足指・足首の強化に繋がっていたのではないだろうか。
20代~30代の自分の姿勢を思い返せば、つま先程ではないが、母趾球寄りの前重心。膝過伸展気味で前太ももで立っていた感がある。つま先は内向きの股関節内旋で小指側の足の縁で足裏を内返し気味に立つ事もクセになっていた。その為か、よく右足首がぐりんと内返しになり捻挫をした。足首が緩かったのだと思う。(当時は気づいていない)つまり私の場合、偏平足という要因から足アーチ構造が崩れていたのは事実。20代から仕事以外の運動をせず、体幹を鍛える事も足で踏ん張るなど、足指を使う事もないまま過ごした。 “外反母趾”による膝関節、股関節への負担と歪みは自覚なく身体に影響していたのだと思う。
神戸に来て、整形外科で作ったインソールを使い、山歩きを始めた。しかしこの頃の私は“外反母趾”以外にも気になる不具合があった。
①
股関節や膝がポキポキ鳴る※股関節内旋、膝はやや外向き
②
長座で足を投げ出すとつま先内向き、足関節底屈
③
足指だけを動かす事ができない※足指ジャンケンができない
④
しゃがみこみができない※背屈の可動域が狭くしゃがむと後ろへ転がりそうになる
ポキポキ音はあちこちの歪み、股関節、特に膝関節の緩みから生じていたのではないだろうか?
大腿四頭筋と下腿三頭筋が張り、ハムストリングや内転筋群は縮みどちらも硬い状態。特に背屈に関わる脛骨・腓骨前側の伸筋4筋が硬く、柔軟性なく縮まなくなっていると思われた。
①
前脛骨筋→足関節背屈・足の内反
②
長母指伸筋→足関節背屈・母趾伸展・足内反の補助
③
長趾伸筋→足関節背屈・4本足指伸展・足の外反
④
第3腓骨筋→足関節背屈・足の外反
①
後脛骨筋→足関節底屈・足の内反
②
長母指屈筋→母趾の屈曲・足関節底屈・足の内反
③
長趾屈筋→2~5指の屈曲・足関節底屈・足の内反
④
腓骨筋→足関節の底屈・膝関節の屈曲
⑤
ヒラメ筋→足関節の屈曲
⑥
長腓骨筋→足の外反・足関節底屈
⑦
短腓骨筋→足の外反・足関節底屈
歩く際の一歩は「踵からの踏み出し接地、なるべく足を残して股関節伸展、からの母趾での蹴りだし」「膝に乗らない腰から歩くイメージの重心移動」「つま先は外向き」を意識した。これは歩くのに時間がかかる。その点、傾斜のある山道はゆっくりじっくり進めるのと、自然と背屈運動ができるのが良かった。(※2021.2月からの1年間で約170回) 以前からの変化で考えると、左右差はあるものの足指が開くようになった(※足指ジャンケンはまだできない)足ぐりんの捻挫が無くなった。長座でのつま先は真っすぐかやや外になった。しゃがみこみができるようになった。
山歩き初めてしばらくしてから自分の蹴りだしが母趾ではなく母趾球からだと気づいた事がありました。足指全般を使い慣れていないのだと思い、入浴時にグーパー運動を始めました。また足関節背屈は浴槽の中だと浮力でしゃがみやすいのでおススメです。このところ「“外反母趾”○○で治る」というフレーズの動画がよく溢れています。私もかつて曲がった足指を矯正しようと足指を広げるグッズを使ってみたり、今でも足指を刺激するゴムを挟んでみたり、“土踏まず”に憧れはある。が、そもそも足回りの筋肉が硬いまま、歩き方が変わらないと“外反母趾”は治らない。ただ、足裏や足指に意識を向けて動かしていく事は大切だと思います。手力の伊藤先生の言われる「大体の事は歩けば治る」は本当です。“外反母趾”でも長距離歩けます。
最後に私の訪問看護先の95歳。羨ましいきれいな足をアップしておきます
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